2021年7月運営所感

「陽だまりのガゼボ」管理人です。

 

 セルフヘルプグループとは、もともと、アメリカなどで断酒会などを行う形態として有名ですね。この場合、会の主眼は、断酒という同じ目標を持つ人どうしが励まし合うという機能かもしれません。

 

しかし、性的虐待のような「誰にも言えない」「黙っていることのほうが文化・社会的に尊いとされる」経験に対しても、セルフヘルプグループは有効だと思うのです。わたくし管理人の場合、セルフヘルプグループは、体験を整理し、言葉にし、シェアし、そして”それでも世界はこわれない”ことを確認して安心するために、大きな力になってくれました。

 

東京であれば、加害者を親族に限らなければ、性暴力被害者のセルフヘルプグループは複数あります。しかし、管理人が確認した限りでは、ここ静岡県に加害者を限定しない性暴力被害者の自助会は2021年現在、存在していません。もちろん、加害者を親族に限る性的虐待の会は当会だけです。なぜでしょう?静岡県では、「性的虐待など起こっていない」?「性的虐待を虐待だと認識できていない」?単に「告知が不足している」?「開催者のえたいが知れない」?「参加者同士が知り合いかも」?

 

  告知については、2021年にはいってから静岡市の『静岡県男女共同参画センターあざれあ』と『静岡市女性会館アイセル21』にチラシを置いてもらえ、『あざれあナビ』に継続的な掲載をして頂いています。また静岡新聞の「こち女」コーナーの記者さんから取材を申し込まれ、2021年7月14日夕刊社会面に紹介していただきました。多くの支援者やメディアが、この問題を大切なことと捉え、お声をかけていただいたり、こちらのお願いを受け入れていただいたりしました。性的虐待を軽視し、なかったことにする人ばかりはないのだ、と温かい前向きな気持ちになり、未来に明るい灯火が見えかけています。

 

もちろん、ここに参加できた被害者の方に対しては、私は仲間のひとりとしてその勇気に胸がいっぱいになります。 しかし、このような自助会に参加することだけが回復の方法ではなく、ご自分の力だけで経験を処理できるかたもいますし、信頼の置ける人にシェアしてもらい解決できるかたもいらっしゃいます。すべての被害者に、セルフヘルプグループが一番有効であるわけでもありません。

 

さらに、「陽だまりのガゼボ」の告知をすることで、被害者だけでなく、その周囲の方も、”性的虐待ってほんとにあるんだ”と思っていただけると思います。すると、いつかその方の身近の子どもが性的虐待を打ち明けたとき、きっと頭から否定することはないでしょう。それだけでも、大きな成果と言えると思います。これからも、「陽だまりのガゼボ」を続けていこうと思っています。

2021年8月から、オンラインで開催いたします。静岡県にお住まいの方も、遠方のかたも参加しやすくなると思います。お待ちしています。